産休・育休の基本ルール
産休と育休は別制度です。産休は「出産する本人」の権利、育休は「育児をする親」の権利(性別問わず)。両方を続けて取るのが一般的です。
| 項目 | 産休(産前産後休業) | 育休(育児休業) |
|---|---|---|
| 対象 | 出産する本人のみ | 男女どちらも |
| 期間 | 産前6週間 + 産後8週間 | 原則 子が1歳まで(延長で最長2歳) |
| 取得条件 | 雇用形態問わず全員 | 原則 1年以上勤続・勤続予定 |
| 給付金 | 出産手当金(給与の2/3) | 育児休業給付金(初180日は67%、以降50%) |
| 社会保険料 | 免除(産前42日〜産後56日) | 免除(育休期間中) |
| 税金 | 所得税非課税 | 所得税非課税 |
産休と育休の違い
給付金の計算と家計シミュレーション
意外と知られていないのが「給付金 + 社会保険料免除 + 所得税非課税」で実質手取りは7〜8割になるという事実。経済不安で取得を諦める前に計算を。
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Step1: 標準報酬月額を確認
給与明細や年金定期便で自分の「標準報酬月額」を確認。ざっくり「額面月給」と思えばOK。
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Step2: 出産手当金を計算
産休期間の給付金 = 標準報酬月額の2/3 × 産休日数(98日)。月給30万円なら約65万円。
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Step3: 育児休業給付金(初6ヶ月)
月給 × 67%。月給30万円なら月20.1万円。
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Step4: 育児休業給付金(6ヶ月以降)
月給 × 50%。月給30万円なら月15万円。
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Step5: 社会保険料免除の効果
給与から引かれる厚生年金・健康保険料が全額免除。月給30万円なら月4〜5万円の手取り増効果。
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Step6: 所得税の効果
給付金は所得税非課税。手取り率は通常の8割前後に上がる。
女性の取得スケジュール
標準的な取得パターンです。
- ✓妊娠5ヶ月目: 上司に報告、産休・育休取得希望を伝える
- ✓妊娠7ヶ月目: 正式な産休申請書を提出、引継ぎ計画作成開始
- ✓産前6週間前: 産休開始
- ✓出産後8週間: 産後休業
- ✓産後8週間経過後: 育児休業開始
- ✓子が1歳時: 原則育休終了(保育園が決まらない場合は延長可能)
- ✓復職1ヶ月前: 時短勤務・リモート等の働き方を会社と相談
- ✓復職: 慣らし保育と合わせて段階的に
男性育休の取り方
2022年の法改正で取得しやすくなりました。男性の取得率も上昇中。
◎産後パパ育休(出生時育児休業)
子の出生後8週間以内に、最大4週間まで取得可能。2回に分割可能。給付金も出る。妻の産後の最も大変な時期を支える新制度。
◎通常の育児休業
産後パパ育休とは別で、1歳まで(延長で2歳まで)取得可能。夫婦で交代・同時取得も可能。「パパママ育休プラス」で1歳2ヶ月まで延長可能。
切り出し方のコツ
「育児参加を主体的にしたい」「妻のキャリア継続を支えたい」等、前向きな理由で。「休みたい」ではなく「育てたい」のニュアンス。
あらかじめ伝える時期
妊娠判明後の早いタイミングで上司に報告。男性育休は事前計画がないと業務引継ぎが困難。最低3ヶ月前には準備を。
復職後の働き方の選択肢
元の職場に元の条件で戻るのが必須ではありません。複数の選択肢を知っておきましょう。
1日6時間勤務が一般的。給与は時間に応じて減るが、保育園お迎え等に対応しやすい。子が3歳(多くの会社)〜小学校入学まで利用可能。
子の急病時に対応しやすい。通勤時間を家族時間に。就業規則での頻度制限を確認。
保育園の送迎時刻に合わせて出退勤時間を調整。コアタイムの有無を確認。
ルーチン業務中心の部署や、繁閑の波が少ない部署への異動を希望する選択肢も。復職相談で上司と話し合う。
復職しにくい文化・制度の会社なら、育休中に転職先を探すのも手段。市場価値が明確になる時期でもある。
