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— Severance Pay Complete Guide

退職金の相場・計算・税金完全ガイド
業種別平均・3つの計算方式・退職所得控除の使い方まで

退職金は法的に義務ではない制度のため、会社ごとに金額・計算方式・支払時期が大きく異なります。本記事では業種・企業規模別の相場、3つの計算方式、退職所得控除と税金、振込までのスケジュール、もらえない場合の対策まで、退職を検討中の方が必ず押さえるべき要点を整理しました。

大企業 平均2,000万円退職所得控除あり確定申告原則不要マナー講師監修

— What is

退職金とは何か

退職金(たいしょくきん)は、従業員が退職する際に会社から支給される一時金または年金のこと。長年の勤労に対する功労報償・賃金後払い・退職後の生活保障の3つの性格を併せ持つとされます。法律上の名称は「退職手当」「退職一時金」「退職年金」など複数あります。

重要な点は、退職金は法的義務ではないということ。労働基準法には「退職手当の定めをする場合には...就業規則に明記すべし」(第89条)とあるだけで、制度自体を強制してはいません。つまり就業規則や退職金規程に明記されている場合のみ請求権が発生します。中小企業の約20%は退職金制度がないという調査もあるため、入社時・退職検討時に必ず規程を確認してください。

CHECK POINT

  • 退職金制度の有無は就業規則・退職金規程で確認
  • 支給要件(勤続年数・退職事由)も規程で確認
  • 計算方式・支払時期・受取方法(一時金/年金)も明記されている

— Comparison

業種別・企業規模別の退職金相場

厚生労働省「就労条件総合調査」「中央労働委員会・賃金事情等総合調査」をもとにした、大学卒・定年退職・勤続35年以上の場合の目安。あくまで平均値で、個別の会社・職位により大きく変動します。

業種・規模定年退職会社都合自己都合
大企業 平均約2,000万円約1,800万円約1,500万円
中小企業 平均約1,100万円約950万円約800万円
金融・保険約2,400万円約2,100万円約1,800万円
電気・ガス・インフラ約2,300万円約2,000万円約1,700万円
製造業約2,000万円約1,800万円約1,500万円
情報通信(IT)約1,800万円約1,600万円約1,300万円
建設業約1,700万円約1,500万円約1,200万円
卸売・小売約1,400万円約1,250万円約1,000万円
サービス業約1,200万円約1,050万円約850万円

※ 出典: 厚生労働省「就労条件総合調査」、中央労働委員会「賃金事情等総合調査」を踏まえた目安。実額は会社・職位・退職時期により変動します。

— Calculation

退職金の3つの計算方法

METHOD 1

基本給連動方式

退職時基本給 × 勤続年数別係数 × 退職事由係数 で算出。最も伝統的な方式で、現在も大企業の半数程度が採用。基本給が高い人ほど有利になる一方、賃金カーブのフラット化で見直しも進んでいる。

例: 退職時基本給40万円 × 勤続30年係数35 × 自己都合0.8 = 1,120万円

METHOD 2

ポイント制

(役職ポイント+等級ポイント+勤続ポイント) × ポイント単価 × 退職事由係数。役職・等級・勤続年数ごとにポイントが付与され累積する仕組み。基本給に左右されず、職務・成果が反映されやすいため近年採用が増加中。

例: 累積ポイント1,500pt × 単価10,000円 × 自己都合0.8 = 1,200万円

METHOD 3

定額制

勤続年数ごとに固定額が定められている方式。中小企業や中退共(中小企業退職金共済)で多い。シンプルで予測しやすい一方、基本給が高くても増えないため上限感がある。

例: 勤続30年・自己都合 → 規程の定額表により800万円

勤続年数別の早見表(大企業・自己都合・大学卒の目安)

勤続年数退職金目安月収換算
5年約60-80万円基本給×1.5-2
10年約180-300万円基本給×4-7
20年約700-1,000万円基本給×17-22
30年約1,300-1,800万円基本給×30-40
35年(定年)約1,800-2,200万円基本給×40-50

— Tax

退職所得控除と税金

退職金は給与所得とは別に「退職所得」として分離課税され、税制上きわめて優遇されています。長年勤めた退職金を一時金として受け取る場合、税負担が大きくならないよう設計されているためです。

退職所得控除の計算式

勤続年数控除額計算式
20年以下40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超800万円 + 70万円 × (勤続年数-20)

具体例: 勤続30年・退職金2,000万円の場合

  • ① 退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × (30-20) = 1,500万円
  • ② 退職所得 = (2,000万円 - 1,500万円) × 1/2 = 250万円
  • ③ 所得税 = 250万円 × 10% - 9.75万円 = 約15.25万円
  • ④ 住民税 = 250万円 × 10% = 25万円
  • ⑤ 手取り = 2,000万円 - 約40万円(税) = 約1,960万円

退職所得 = (退職金 − 退職所得控除) × 1/2 という強力な優遇があるため、給与で同額を受け取るより税負担が大幅に軽くなります。勤続年数20年を超えると控除額の伸びが40万円→70万円/年に加速するため、長期勤続者ほど有利です。

確定申告については、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば源泉徴収で課税が完結し原則確定申告は不要。提出していない場合は20.42%が源泉徴収されるため、確定申告で還付を受ける必要があります。

— Schedule

退職金が振り込まれるまでのスケジュール

退職日

最終出社・引継ぎ完了。退職届受理。会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出

退職後 1-2週

社内決裁・退職金規程に基づく金額確定。確定給付企業年金の場合は信託銀行への手続き開始

退職後 1ヶ月

源泉徴収票(退職所得の源泉徴収票・特別徴収票)が郵送で到着

退職後 1-2ヶ月

退職金が指定口座へ振込(大企業の標準ケース)

退職後 2-3ヶ月

中小企業の場合、または中退共経由の場合の振込タイミング

退職後 3-6ヶ月

確定給付企業年金・iDeCo経由・複数制度併用の場合の振込完了目安

※ 振込時期は退職金規程で定められています。即日振込は稀で、源泉徴収・社内決裁・税務処理を経るため最低でも数週間はかかると認識しておきましょう。

— CAUTION

退職金がもらえないケースと対策

「退職金が出ない」「思ったより少ない」と退職後にトラブルになるケースは少なくありません。事前に把握すべきパターンと対策をまとめます。

  • ① そもそも退職金制度がない: 中小企業の約20%は退職金制度なし。就業規則に「退職金」の章自体がないなら法的請求権は発生しない。
    対策: 入社時・転職時に必ず就業規則・退職金規程を確認
  • ② 支給要件の勤続年数未満: 自己都合は勤続3年以上、会社都合は1年以上が要件のケースが多い。要件未満なら0円も合法。
    対策: 規程の支給要件を確認し、節目の勤続年数を意識
  • ③ 懲戒解雇による不支給・減額: 重大な就業規則違反による懲戒解雇では退職金不支給・減額条項が適用される(判例上、相当性が必要)。
    対策: 不当な懲戒処分なら労働審判・民事訴訟で争う
  • ④ 就業規則の不利益変更: 業績悪化を理由とした退職金規程の変更で減額されるケース。合理性なく一方的な不利益変更は無効。
    対策: 過去の規程と現規程を比較・労働組合や弁護士に相談
  • ⑤ 期日を過ぎても未払い: 規程の支払時期を経過しても振込がない。会社の資金繰り悪化や倒産前のケースも。
    対策: 書面で請求 → 労働基準監督署 → 弁護士相談・労働審判。請求権の消滅時効は5年

— Procedure

退職金請求と退職手続きの関係

退職金は退職届の提出 → 受理 → 退職日確定のプロセスを経て初めて支給対象になります。退職届の出し方・退職理由の伝え方を誤ると、自己都合扱いとなり退職金が2-3割減ったり、支給要件を満たせなかったりするリスクがあります。

— FAQ

よくある質問

Q. 退職金の平均額はいくら?

厚労省調査では、大学卒・定年退職・勤続35年以上で大企業約2,000万円、中小企業約1,100万円が目安。自己都合は会社都合より2-3割少ない。業種では金融・インフラが高水準、サービス業が低水準の傾向です。

Q. 退職金の計算方法は?

主な方式は3つ。①基本給連動方式(基本給×勤続年数別係数×退職事由係数)、②ポイント制(役職・等級ポイント累計×単価)、③定額制(勤続年数別の固定額)。最近はポイント制が増加傾向です。就業規則・退職金規程で必ず確認できます。

Q. 退職所得控除はいくら?

勤続20年以下は「40万円×勤続年数(最低80万円)」、20年超は「800万円+70万円×(勤続年数-20)」。例えば勤続30年なら1,500万円が控除額。退職所得=(退職金-控除)×1/2 で課税対象が計算されます。

Q. 退職金に確定申告は必要?

原則不要です。「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していれば、会社が源泉徴収を行い課税は完結します。提出していない場合は20.42%の源泉徴収となり、確定申告で還付を受ける必要があります。

Q. 自己都合と会社都合で退職金はどれくらい違う?

会社都合(整理解雇・早期退職)の方が2-3割多いのが一般的。基本給連動方式では退職事由係数が会社都合1.0に対して自己都合0.7-0.8程度。早期退職優遇制度を使えば会社都合扱い+割増金が支給されるケースもあります。

Q. 退職金がもらえないケースはありますか?

あります。①そもそも退職金制度がない会社、②勤続年数が支給要件未満、③懲戒解雇による不支給・減額、④就業規則の不利益変更による減額。退職金は法的義務ではなく就業規則・退職金規程に基づくため、入社時の確認が重要です。

Q. 退職金はいつ振り込まれますか?

退職日から1-2ヶ月後の振込が一般的。源泉徴収票の発行・社内決裁・税務処理を経るため、即日振込は稀。大企業で1-2ヶ月、中小で2-3ヶ月、確定給付企業年金や中退共経由の場合は3-6ヶ月かかることもあります。

Q. 退職金が未払いの場合どうすれば?

まず就業規則・退職金規程で支給条件と時期を確認。期日を過ぎても振込がない場合は①会社の経理・人事に書面で請求、②労働基準監督署に相談、③弁護士に相談・労働審判を申し立て、の順で対応。退職金請求権の消滅時効は5年です(2020年改正後)。

Q. 一時金と年金、どちらで受け取ると得?

退職所得控除を最大限活用できる一時金が税制上は有利なケースが多い。ただし運用利回り・公的年金との合算・個人の生活設計により異なる。確定給付企業年金がある場合は会社・信託銀行のシミュレーションを必ず確認してください。

Q. 転職時に前職の退職金はどうなる?

退職時に一時金として受け取るのが基本。中退共・確定給付企業年金は「ポータビリティ制度」で次の会社に持ち運べる場合があります。iDeCoへ移換する選択肢も。受け取りタイミングで税額が変わるため、転職前に税理士・FPに相談するのが安全です。

— Next Step

退職を切り出せない場合の選択肢

直接言いにくい・引き止めが強い・パワハラがある場合は、労働組合や弁護士運営の退職代行が法的に対応してくれます。費用は2〜5万円で即日対応可能。並行して転職活動を進めるとブランクなく次に移れます。

リージョナルキャリア東海

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