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— Sickness Allowance Complete Guide

傷病手当金完全ガイド
計算・申請・退職後の継続・もらえないケース

傷病手当金は健康保険から支給される所得補償。病気やケガで働けない期間、給与の約3分の2(手取りベースで約60-70%)が最大1年6ヶ月支給されます。支給額の計算式・4つの支給要件・待期3日のルール・退職後の継続条件・申請書類・もらえないケースまで、社会保険のプロ監修で完全整理。

日額の2/3最大1年6ヶ月退職後も継続可マナー講師監修

— What is

傷病手当金とは何か

傷病手当金(しょうびょうてあてきん)は、健康保険(社会保険)に加入している被保険者が、業務外の病気・ケガで働けなくなったときに生活を保障する所得補償制度です。協会けんぽ・各健保組合・共済組合が支給主体で、保険料を払っていれば誰でも申請できる権利として保障されています。

ポイントは「業務外」であること。仕事中や通勤中のケガ・病気は労災保険の管轄になり、傷病手当金は対象外です。また、雇用保険の失業手当(基本手当)とは異なり、雇われている間の所得補償である点に注意してください。

他制度との違い

制度対象原因
傷病手当金健保被保険者業務外の傷病
労災(休業補償給付)労働者全員業務上・通勤災害
失業手当離職した雇用保険加入者求職中(働ける状態)
障害年金国民年金/厚生年金加入者障害認定された傷病

— Conditions

4つの支給要件

傷病手当金は以下4つの要件すべてを満たした日について支給されます。一つでも欠けると不支給になるので、申請前に必ずチェックしてください。

CONDITION 1

業務外の傷病による療養

業務上・通勤途上のケガ・病気は労災の管轄。健保では支給されません。療養は自宅療養・通院・入院いずれも可。健康保険適用外の自由診療(美容整形など)は対象外です。

CONDITION 2

労務不能であること

本来の業務に就けない状態を医師が証明する必要があります。デスクワークは可能でも肉体労働者なら労務不能と認められるなど、業務内容に照らした判断になります。在宅で軽い作業ができる程度なら不支給リスクあり。

CONDITION 3

連続3日の待期完成

休業開始日から連続して3日間休む必要があり、4日目から支給対象になります。土日祝・有給も待期日数にカウントOK。ただし「休→出→休」のように途切れると待期はリセットされ、最初から数え直しです。

CONDITION 4

給与が支払われていない

休業中に会社から給与が満額支給されると不支給。傷病手当金日額より少ない額が支給された場合は差額が支給されます。有給休暇を使った日は給与満額のため傷病手当金は出ません。

— Calculation

支給額の計算方法

傷病手当金の1日あたりの支給額は次の式で算出します。

— FORMULA

【支給日額】= 直近12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3

※ 被保険者期間が12ヶ月未満の場合は「加入期間の平均額」と「全被保険者の平均(2026年度: 30万円)」の低い方を使用。

月給別 支給額早見表(被保険者期間1年以上想定)

標準報酬月額日額支給日額(2/3)月額目安(30日)
20万円6,667円4,444円約13.3万円
25万円8,333円5,555円約16.7万円
30万円10,000円6,667円約20.0万円
35万円11,667円7,778円約23.3万円
40万円13,333円8,889円約26.7万円
50万円16,667円11,111円約33.3万円
60万円20,000円13,333円約40.0万円

※ 端数処理(円未満四捨五入)の関係で実際の支給額と数十円ずれる場合があります。標準報酬月額は給与明細の「健康保険料」から逆算するか、人事・総務に確認できます。所得税は非課税ですが住民税は通常通り発生する点に注意。

— Schedule

申請から振込までのタイムライン

休業1日目

通院・診断。会社に欠勤連絡。診断書ではなく「傷病手当金支給申請書」の様式を医師に渡せるよう準備

休業3日目

待期完成。連続3日休んだ時点で4日目以降が支給対象に

休業4日目〜

実際の支給対象期間スタート。月単位で申請するのが一般的

1ヶ月分終了後

本人欄を記入→医師に意見書欄を依頼(文書料500-3,000円)→会社に事業主欄を依頼

健保に提出後

協会けんぽは申請から振込まで2週間〜1ヶ月、健保組合は1〜2週間が目安

2回目以降

同じ書類を月ごとに繰り返し提出。最大1年6ヶ月分まで継続

※ 申請権は支給対象日の翌日から2年で時効消滅します。さかのぼって申請する場合も2年以内なら可能ですが、医師・事業主の証明が取りにくくなるため、月単位での申請を強く推奨。

— Procedure

申請手順と必要書類

申請書は「健康保険傷病手当金支給申請書」(全国健康保険協会のサイト・各健保組合のサイトからダウンロード可)。3者の記入欄があります。

PART 1

被保険者(本人)記入欄

氏名・住所・保険証記号番号・振込口座・申請期間・傷病名・障害年金や労災との重複の有無など。振込口座は本人名義でないと却下されるので注意。マイナンバー記入欄がある様式も。

PART 2

事業主(会社)記入欄

勤務状況(出勤/欠勤の日付)、給与支払い状況、退職日(退職している場合)などを会社が記入。人事・総務に依頼します。退職後申請の場合は退職前期間のみ会社記入が必要。

PART 3

療養担当者(医師)意見書

傷病名・初診日・労務不能と認めた期間・診療内容を主治医が記入。診断書とは別物でこの様式に直接記入してもらいます。文書料は500-3,000円程度(医療機関により異なる)。

— TIP

提出先は協会けんぽの場合は支部(都道府県別)、健保組合の場合は組合事務局。会社経由で提出するのが一般的だが、本人から直接郵送も可能。退職後は本人が直接郵送します。

— Continuation

退職後も傷病手当金を継続受給する条件

一定要件を満たせば、退職後も残りの受給期間(最大1年6ヶ月)まで継続して傷病手当金を受け取れます。これを「資格喪失後の継続給付」と呼びます。任意継続被保険者になる必要はなく、国保や家族の扶養に入っても継続します。

継続受給の3要件(すべて必須)

  1. 退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること(任継・国保期間は通算しない)
  2. 退職日に傷病手当金を受給中、または受給可能な状態(待期3日が完成し、労務不能であること)
  3. 退職日に出勤していないこと(挨拶のための1時間出社でもアウト判例あり)

退職日に出勤すると「労務不能ではない」と判断されて継続給付の権利を失う点が最大の落とし穴。退職日は必ず欠勤にしてください。引き継ぎ・私物回収は退職日前後の別日に行います。

— CAUTION

もらえないケース・打ち切りパターン

以下のケースは支給対象外、または途中で打ち切りになります。事前に把握して不支給リスクを潰すのが大事です。

  • ① 国民健康保険加入者: 自営業・フリーランス・無職の国保加入者は傷病手当金制度自体がない。法定外で一部市区町村がコロナ特例で支給した例はあるが、原則対象外。
  • ② 業務上・通勤災害: 労災保険の休業補償給付に該当するため健保の傷病手当金は出ない。
  • ③ 待期未完成: 連続3日の休業がない、または欠勤と出勤を交互に繰り返している。
  • ④ 給与が満額支給: 有給休暇日や休職中の手厚い手当で給与日額を超えている期間は不支給。
  • ⑤ 障害年金との重複: 同じ傷病で障害厚生年金を受給開始すると、年金額が傷病手当金日額を超える場合に不支給または差額調整。
  • ⑥ 老齢年金との重複(退職後): 退職後に老齢厚生年金を受給する場合、年金日額が手当日額を超えると不支給。
  • ⑦ 受給期間1年6ヶ月の経過: 通算1年6ヶ月を使い切ると同一傷病ではこれ以上支給されない。長期療養が必要な場合は障害年金へ移行を検討。
  • ⑧ 美容整形・近視矯正など: 健康保険が使えない自由診療は対象外。
  • ⑨ 任意継続被保険者の新規発症: 任継加入後に発症した傷病は対象外。在職中から続いている傷病なら継続給付として可。

— RELATED BENEFITS

関連制度との使い分け

傷病手当金だけで生活が厳しい場合や受給期間が終わった後は、以下の制度と組み合わせます。同時受給は調整されるものが多いので、自治体・社労士に相談を。

  • 障害年金: 1年6ヶ月経過後も療養が続く場合の主軸。等級により傷病手当金との調整あり
  • 自立支援医療(精神通院): 精神疾患の通院費を1割負担に軽減
  • 高額療養費制度: 月の医療費自己負担に上限を設ける制度。傷病手当金と併用可
  • 失業手当の受給期間延長: 退職後すぐ働けない場合、最大4年まで受給期間を延長申請可能
  • 生活保護: 傷病手当金や貯蓄でも生活困難なら最後のセーフティネット

— FAQ

よくある質問

Q. 傷病手当金はいくらもらえる?

直近12ヶ月の標準報酬月額の平均を30で割った日額の3分の2が、休んだ日(4日目以降)1日あたりの支給額。月給30万円なら日額約6,667円、月給40万円なら日額約8,889円が目安。年収で見ると手取りの約60-70%が補償されます。

Q. もらえない場合はある?

①国民健康保険加入者(自営業・フリーランス)は対象外、②業務上・通勤災害は労災保険の管轄、③美容整形など病気・ケガ以外、④待期3日が完成していない、⑤休んだ期間に給与が満額支給されている、⑥任意継続被保険者の新規発症などのケースで支給されません。

Q. 待期期間とは?

連続する3日間の休業日のこと。傷病手当金は4日目から支給されるため、まず3日連続で休む必要があります。土日祝日や有給休暇も待期に含まれますが、断続的な休み(休→出勤→休)では3日連続にならずカウントがリセットされます。

Q. 受給期間はいつまで?

同一傷病につき支給開始日から通算1年6ヶ月(549日)が上限。2022年1月の法改正により「通算」になり、復職して支給停止した期間は受給期間に含まれません。例えば6ヶ月受給→3ヶ月復職→残り12ヶ月受給という形でトータル1年6ヶ月使えます。

Q. 退職後も受け取れる?

①退職日までに被保険者期間が継続して1年以上、②退職日に傷病手当金を受給中または受給できる状態、③退職日に出勤していない、の3要件を全て満たせば継続受給可能です。任意継続にする必要はなく、国保や扶養に切り替えても継続します。

Q. 申請に必要な書類は?

健康保険傷病手当金支給申請書(全国健康保険協会または各健保組合の様式)に①被保険者記入欄(本人)②事業主記入欄(会社)③療養担当者(医師)記入欄の3者の記入が必要。診断書ではなく医師の意見書としてこの様式に記入してもらいます。

Q. 有給休暇と併用できる?

同じ日に両方は受け取れません。有給休暇で給与が満額支給された日は傷病手当金が不支給になります。ただし待期3日を有給で消化することは可能で、4日目以降を欠勤扱いにすれば傷病手当金が支給されます。

Q. うつ病でも申請できる?

できます。うつ病・適応障害・パニック障害・統合失調症など精神疾患も対象。「労務不能」を医師が証明できれば支給されます。実際、近年の傷病手当金支給理由のトップは精神疾患です。再発時の同一傷病判定はケース次第。

Q. 失業手当との併給は?

できません。失業手当は「働ける状態」が前提、傷病手当金は「働けない状態」が前提のため、同時受給は不可能。退職後に傷病手当金を受給中は失業手当の受給期間延長申請(最大4年)を行い、回復後に失業手当を受給する流れが一般的です。

Q. 個人事業主でも申請できる?

できません。傷病手当金は健康保険(社会保険)の制度のため、国民健康保険加入者(自営業・フリーランス)は対象外。法人化して自分が役員として健保加入していれば対象になります。所得補償保険(民間保険)で備えるのが一般的。

— Next Step

環境を変えるという選択肢

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