⚠️ 教育 CAREER LIMIT
保育士を辞めたい・限界
離職率9.3%・転職先8選で決める正解ルート【2026】
日曜の夜から動悸がする、月曜の朝に保育園の駐車場で吐く、家に持ち帰った製作物を泣きながら作る——保育士として真面目にやってきた人ほど、ある日突然「もう続けられない」のラインを越えます。本記事は精神論ではなく、厚労省統計と退職→転職のルートで「辞めて良い」を後押しします。
佐野 真由美マナー講師・監修者公開: 2026年5月8日保育士の現実(公的統計データ)
平均年収
406.8万円
保育士全体・月給28万5,700円+年間賞与84万7,900円換算(2024年度実績)
出典: 令和6年 賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
年間離職率
9.3%
常勤保育士の年間離職率(私営10.7%・公営5.9%)
出典: 保育士の現状と主な取組(厚生労働省)
新卒1年目離職率
8.13%
新卒保育士の1年以内離職率(私立9.68%・公立2.24%・2023年度)
出典: 令和6年 社会福祉施設等調査(厚生労働省・政府統計)
月に何らかの持ち帰り仕事をしている保育士の比率
67.0%
月に何らかの持ち帰り仕事をしている保育士の比率
出典: マイナビ保育士「持ち帰り仕事の実態調査」
サービス残業をしている保育士の比率(残業代「全額支給」と答えたのは21.4%)
78.6%
サービス残業をしている保育士の比率(残業代「全額支給」と答えたのは21.4%)
出典: マイナビ保育士「保育士の残業実態調査」
退職理由トップ3:職場の人間関係/給料の安さ/仕事量の多さ(複数回答)
33.5% / 29.2% / 27.7%
退職理由トップ3:職場の人間関係/給料の安さ/仕事量の多さ(複数回答)
出典: 令和4年版 厚生労働白書 図表1-2-62
⚠️ 「もう限界」のサイン 7つ
- ① 日曜の夕方になると涙・動悸・吐き気が出るようになった
- ② 製作物・指導案を持ち帰って深夜まで作業し、家族に当たってしまう
- ③ 園長・主任の足音や声を聞くだけで体がこわばる
- ④ 担任クラスの保護者からの連絡帳を開くのが怖い
- ⑤ 行事(運動会・発表会・卒園式)前になると不眠と過食/拒食が出る
- ⑥ 子どもを可愛いと思えなくなり「私は保育士に向いていない」と毎日思う
- ⑦ 通勤途中で「電車に飛び込めば全部終わる」が一瞬よぎる
3つ以上当てはまったら、心身が限界域。判断を先延ばしにしないこと。
保育士が辞める主な理由
- 職場の人間関係(主任・先輩・同僚の派閥/陰口) — 退職理由1位33.5%
- 給料が安い(平均月給28.5万円・全産業平均より約5万円低い) — 29.2%
- 仕事量が多い(製作・指導案・行事準備の持ち帰り常態化) — 27.7%
- 労働時間が長い(サービス残業78.6%・持ち帰り67%) — 24.9%
- 保護者対応のクレーム・モンスターペアレント
- 配置基準ギリギリの人手不足で休憩・有給が取れない
放置するとどうなる(健康・キャリアリスク)
- ▸適応障害・うつ病: 保育士のメンタル不調による退職は近年増加・休職予備軍が常態化
- ▸腰痛・腱鞘炎: 抱っこ・おんぶ・低姿勢の慢性負荷で労災相当のケースも
- ▸バーンアウト: 子どもを可愛いと思えなくなり、保育職全般から離れる事態に
- ▸結婚・出産後の復帰が難しくなる(夜勤はないがフルタイムの体力勝負)
- ▸我慢して10年勤続しても給料カーブはほぼ横ばい(処遇改善加算の上限がある)
退職代行を使うべき判断軸
- ✓園長・主任に退職届を3回以上突き返されている
- ✓「次の担任が決まるまで」「年度末まで」と言われ半年以上引き延ばされている
- ✓日曜の夜から月曜の朝にかけて吐き気・過呼吸・動悸が1ヶ月以上続いている
- ✓持ち帰り仕事中に「死にたい」「消えたい」が頭をよぎる頻度が週1回以上
どれか1つでも当てはまるなら、自力退職は失敗確率が高い。費用2-5万円で精神を守る方が圧倒的に得。
保育士の転職先 8選(年収・適性データ付き)
出典: 看護師転職メディア各社の市場レポートと厚労省統計を元に編集部で集計
1. 児童発達支援/放課後等デイサービス
資格・経験そのまま活用想定年収: 350-450万円
発達に支援が必要な子ども向けの療育施設。保育士資格がそのまま児童指導員として活きる。事業者数は8年で5倍に増加し求人倍率3.6倍と売り手市場。
良い点
- ・土日祝休み・残業少なめの事業所が多い
- ・少人数制で1人1人にじっくり向き合える
- ・保育士資格のみで応募可能(実務経験不問の事業所も多い)
注意点
- ・年収は保育園と同程度かやや低い
- ・療育の専門知識を学び直す必要がある
2. 企業内保育所/院内保育所
資格・経験そのまま活用想定年収: 380-480万円
一般企業や病院の従業員向け保育所。母体企業の福利厚生・休日カレンダーに準じるため、行事も少なく業務負担が軽い。
良い点
- ・行事(運動会・発表会)が小規模 or なしで持ち帰り激減
- ・大企業運営なら保育士も社員待遇で福利厚生・退職金が手厚い
- ・少人数保育で子どもと向き合う時間が確保できる
注意点
- ・求人数が一般保育園より少ない
- ・園児数が少ないため人間関係が濃密
3. ベビーシッター(法人所属/フリーランス)
資格・経験そのまま活用想定年収: 300-450万円
個人宅やキッズライン等のプラットフォーム経由で1対1の保育を提供。時給1,500-2,000円、英語/病児対応など専門スキルがあれば時給3,000円超も。
良い点
- ・人間関係ストレスが激減(基本1対1)
- ・働く時間・曜日を完全コントロール可能
- ・育児経験 + 保育士資格があれば高単価案件を取りやすい
注意点
- ・正社員より福利厚生が薄い
- ・指名がないと収入が安定しない
4. 子育て支援センター/児童館職員
資格・経験そのまま活用想定年収: 320-420万円
地域の親子向け広場や児童館で遊びの提供・育児相談を担当。担任を持たないため指導案・連絡帳・行事準備がない。
良い点
- ・担任業務・持ち帰り仕事がほぼゼロ
- ・土日祝休みが多く、生活リズムが整う
- ・保護者対応はあるがクレーム性は保育園より低い
注意点
- ・公務員枠は採用が少ない
- ・保育園よりやや年収が下がる
5. 医療事務/一般事務
未経験スタート想定年収: 300-400万円
病院・クリニックの受付・会計・レセプト業務。資格は3-6ヶ月の通信講座で取得可能。デスクワークで体への負担が一気に消える。
良い点
- ・腰痛・抱っこからの解放
- ・残業少なめ・土日祝休みのクリニックが多い
- ・保育士の保護者対応経験が患者対応で評価される
注意点
- ・保育士からの転職で年収は50-100万円下がる例も
- ・簿記・PCスキルの学び直しが必要
6. 介護職/介護福祉士
一部経験を活用想定年収: 350-450万円
高齢者の生活支援。保育士の「食事・排泄・着替え介助」のスキルが直接転用できるため、未経験でも即戦力として歓迎される。
良い点
- ・未経験でも採用されやすく求人豊富
- ・保育士経験は「対人援助職」として高評価
- ・夜勤に抵抗なければ夜勤手当で年収UP可
注意点
- ・身体的負担(腰痛)は保育士同等以上
- ・看取りなど精神的負担がある
7. 受付/コールセンター
未経験スタート想定年収: 280-380万円
企業受付・コールセンターSV/オペレーター。保育士の傾聴力・電話対応スキルが直接活きる。シフト柔軟で子育てとの両立もしやすい。
良い点
- ・完全デスクワークで体への負担ゼロ
- ・研修制度が整っており未経験でも入れる
- ・在宅コールセンターも増えており働き方の選択肢が広い
注意点
- ・年収は保育士より下がる傾向
- ・クレーム対応のメンタル消耗はある
8. 営業職(教育系/子ども関連商材)
一部経験を活用想定年収: 380-550万円
幼児教室・知育玩具・子ども写真館などの法人/個人向け営業。保育士経験は「子育て世帯への提案力」として圧倒的な信頼を獲得できる。
良い点
- ・インセンティブで保育士時代の年収を即超える例が多い
- ・土日祝休み + カレンダー通り出勤の企業も多い
- ・保育士資格がそのまま営業のフックになる
注意点
- ・ノルマと数字管理のプレッシャーがある
- ・営業未経験の場合は適性テストでつまずくことも
次の職場でホワイトを見極める基準
- ✓残業時間・持ち帰り仕事の実態を面接で具体的に答えられる(「ほぼゼロ」は嘘・「月◯時間以内」が答えられる園が健全)
- ✓園長・主任の在職年数が長く、保育士の平均勤続年数を公開している
- ✓配置基準より保育士を多めに配置している(0歳児3:1ではなく2:1運用など)
- ✓行事の規模を「保護者向け演出より子ども本位」に縮小している
- ✓有給消化率・育休復帰率・離職率を求人票か面接で開示してくれる
退職前にやるべきこと 5つ
① 心療内科で診断書を取得
適応障害の診断書があれば傷病手当金(月給2/3、最長1年6ヶ月)が受給可能。 オンライン心療内科。
② ハラスメント証拠を保存
録音・スクショ・日記を残す。後で慰謝料請求もできる。 パワハラ慰謝料の請求方法。
③ 生活費6ヶ月分の確保
無職期間の生活防衛。足りない場合は退職前にカードローン枠だけ確保。 退職後カードローン。
④ 転職エージェントに在職中に登録
退職後は信用が下がるため在職中が必須。 エージェント比較。
⑤ クレジットカード・住宅ローンの申込
無職になると審査落ちしやすい。在職中に枠を確保しておく。 退職前クレカ。
よくある質問
Q. 保育士を辞めたいのは甘えですか?▼
A. 甘えではない。厚労省「保育士の現状と主な取組」では年間離職率9.3%(私営10.7%)で、退職理由トップは「人間関係33.5%」「給料の安さ29.2%」「仕事量27.7%」。どれも本人の根性ではどうにもならない構造問題で、毎年10人に1人が辞めている職業と理解して良い。
Q. 園長や主任に「辞めます」と直接言えません。どうすれば?▼
A. 退職代行を使えば一切連絡せず退職可能。費用は2-5万円・LINE完結で最短即日。保育業界は「次の人が見つかるまで」「年度末まで」の引き止めが特に強く、退職代行の利用件数も近年急増している。労働組合運営なら有給消化交渉まで対応してくれる。
Q. 年度途中で辞めると損害賠償を請求されますか?▼
A. されない。労働者は2週間前の申し出で退職できると民法第627条で定められており、これに反する誓約書・契約書は無効。「子どもがかわいそう」「保護者に申し訳ない」は園側が用意する圧力ワードで、法的には問題なく辞められる。
Q. 持ち帰り仕事の残業代は今からでも請求できますか?▼
A. 直近2年分(2025年4月以降は3年分)の未払い残業代は労働基準監督署経由で請求可能。タイムカード・LINE・パソコンのログがあれば証拠になる。退職代行や弁護士に相談すれば未払い分の回収を含めて交渉してくれる。
Q. 保育士資格を活かせる、保育園以外の仕事は何がありますか?▼
A. 児童発達支援・放課後等デイサービス・企業内保育所・院内保育所・ベビーシッター・子育て支援センター・児童館・幼児教室など。担任業務や行事の負担を減らしながら資格を活かせる職場が複数ある。
Q. うつ病になりかけている場合はどうすれば?▼
A. 辞める前に心療内科で診断書を取り、傷病手当金(月給の約2/3、最長1年6ヶ月)で休職するのが金銭的に最も得な手順。回復してから退職→転職の順で進める。診断書はオンライン心療内科でも取得可能。
Q. 異業種に転職して年収は下がりますか?▼
A. 医療機器メーカー営業や教育系営業は現状維持〜上振れる例が多い。事務職・受付は50-100万円下がるケースもあるが、持ち帰り仕事ゼロ・腰痛解消・土日祝休みの生活改善を加味すれば総合点で得をする選択になりやすい。
本記事のデータ出典
- ・令和6年 賃金構造基本統計調査(厚生労働省)(保育士全体・月給28万5,700円+年間賞与84万7,900円換算(2024年度実績): 406.8万円)
- ・保育士の現状と主な取組(厚生労働省)(常勤保育士の年間離職率(私営10.7%・公営5.9%): 9.3%)
- ・令和6年 社会福祉施設等調査(厚生労働省・政府統計)(新卒保育士の1年以内離職率(私立9.68%・公立2.24%・2023年度): 8.13%)
- ・マイナビ保育士「持ち帰り仕事の実態調査」(月に何らかの持ち帰り仕事をしている保育士の比率: 67.0%)
- ・マイナビ保育士「保育士の残業実態調査」(サービス残業をしている保育士の比率(残業代「全額支給」と答えたのは21.4%): 78.6%)
- ・令和4年版 厚生労働白書 図表1-2-62(退職理由トップ3:職場の人間関係/給料の安さ/仕事量の多さ(複数回答): 33.5% / 29.2% / 27.7%)
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